タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー
Shin-biology regulated by protein lifetime
文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 令和5年〜9年度
Shin-biology regulated
by protein lifetime
by protein lifetime
プロテオームワイドに「タンパク質の寿命はどのように決定されているのか」を理解することが、生命現象のシン(真・新・深)の理解には不可欠である。
タンパク質分解は、タンパク質合成と並んで、タンパク質構成を決定する重要な機構です。細胞内のタンパク質を分解する仕組みの研究はこの30年で進展し、大規模な分解系としてユビキチン・プロテアソーム系やオートファジーなど基本的な仕組みが分かってきました。また、細胞内外には様々なプロテアーゼが存在し、生理機能に重要な役割を果たしています。しかし、いまだに理解されていないのが、タンパク質寿命の決定の仕組みです。例えばラットニューロンのタンパク質の半減期は1日以内から10日以上と広範囲に分布しています。細胞内タンパク質の寿命が千差万別であるという観察は、すでに1978年に知られており、半世紀来の謎でした。これまで、タンパク質寿命を決定する法則がいくつか提唱されてきました。古くは1986年に発表されたN末端則、その後もC末端則やPEST配列と呼ばれる類似のルールが見出されていますが、これら法則は一部のタンパク質の寿命を説明できるものの、大半のタンパク質の寿命はこれでは理解できず、タンパク質寿命がどのように決定されるのか、その仕組みは未解明のまま残されています。
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2024.8.1訃報
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2024.6.142025年、タンパク質・オルガネラ寿命制御に関する国際会議を開催します。HPを開設しました
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2024.4.3小林班からの論文発表(脳内の神経幹細胞におけるリソソーム活性の変動)。リソソームによるタンパク質分解活性をモニターするマウスを作製し、脳の成熟・老化および脳疾患に伴う神経幹細胞のリソソーム機能変化を明らかにしました
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2024.2.7計画班の山野先生が論文発表。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子産物TBK1が、オートファジーによる損傷ミトコンドリア排除に働く分子機構を明らかにしました。神経変性疾患発症メカニズム理解や新しい治療戦略への発展も期待されます。
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2023.8.7キックオフシンポジウムを開催しました。領域概要と公募説明の動画はこちら→
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総括班
タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー
領域代表 村田 茂穂
東京大学薬学系研究科
東京大学薬学系研究科
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A01-1
細胞・臓器老化におけるタンパク質寿命動態
研究代表者 村田 茂穂
東京大学薬学系研究科 -
A01-2
神経幹細胞におけるタンパク質寿命動態
研究代表者 小林 妙子
東京大学医科学研究所タンパク質代謝制御分野 准教授 -
A01-3
タンパク質寿命の変容と血管狭窄
研究代表者 森戸 大介
昭和大学医学部
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A02-1
プロテアソームによるタンパク質寿命決定の仕組み
研究代表者 佐伯 泰
東京大学医科学研究所タンパク質代謝制御分野 -
A02-2
ユビキチンコードによるタンパク質寿命制御
研究代表者 大竹 史明
星薬科大学先端生命科学研究所 -
A02-3
オルガネラ構成タンパク質の寿命制御
研究代表者 山野 晃史
東京医科歯科大学難治疾患研究所
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A03-1
タンパク質寿命の大規模計測技術と寿命制御原理
研究代表者 石濱 泰
京都大学薬学研究科 -
A03-2
オーキシンデグロン法によるタンパク質寿命操作
研究代表者 鐘巻 将人
国立遺伝学研究所 -
A03-3
ケミカルデグレーダーによるタンパク質寿命制御
研究代表者 出水 庸介
国立医薬品食品衛生研究所有機化学部
8月7日にキックオフシンポジウムをハイブリッド形式で開催します。公募研究を説明予定です。開催概要とご参加登録はこちら。
8/7(月)に本領域キックオフシンポをハイブリッド形式で行います。R6年度公募研究募集概要も説明予定ですので奮ってご参加ください。ご参加登録はこちら。