タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー

Shin-biology regulated by protein lifetime
文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 令和5年〜9年度
Shin-biology regulated
by protein lifetime

プロテオームワイドに「タンパク質の寿命はどのように決定されているのか」を理解することが、生命現象のシン(真・新・深)の理解には不可欠である。

タンパク質分解は、タンパク質合成と並んで、タンパク質構成を決定する重要な機構です。細胞内のタンパク質を分解する仕組みの研究はこの30年で進展し、大規模な分解系としてユビキチン・プロテアソーム系やオートファジーなど基本的な仕組みが分かってきました。また、細胞内外には様々なプロテアーゼが存在し、生理機能に重要な役割を果たしています。しかし、いまだに理解されていないのが、タンパク質寿命の決定の仕組みです。例えばラットニューロンのタンパク質の半減期は1日以内から10日以上と広範囲に分布しています。細胞内タンパク質の寿命が千差万別であるという観察は、すでに1978年に知られており、半世紀来の謎でした。これまで、タンパク質寿命を決定する法則がいくつか提唱されてきました。古くは1986年に発表されたN末端則、その後もC末端則やPEST配列と呼ばれる類似のルールが見出されていますが、これら法則は一部のタンパク質の寿命を説明できるものの、大半のタンパク質の寿命はこれでは理解できず、タンパク質寿命がどのように決定されるのか、その仕組みは未解明のまま残されています。

古くて新しいタンパク質寿命の謎

タンパク質分解は、タンパク質合成と並んで、タンパク質構成を決定する重要な機構です。細胞内のタンパク質を分解する仕組みの研究はこの30年で進展し、大規模な分解系としてユビキチン・プロテアソーム系やオートファジーなど基本的な仕組みが分かってきました。また、細胞内外には様々なプロテアーゼが存在し、生理機能に重要な役割を果たしています。しかし、いまだに理解されていないのが、タンパク質寿命の決定の仕組みです。例えばラットニューロンのタンパク質の半減期は1日以内から10日以上と広範囲に分布しています。細胞内タンパク質の寿命が千差万別であるという観察は、すでに1978年に知られており、半世紀来の謎でした。これまで、タンパク質寿命を決定する法則がいくつか提唱されてきました。古くは1986年に発表されたN末端則、その後もC末端則やPEST配列と呼ばれる類似のルールが見出されていますが、これら法則は一部のタンパク質の寿命を説明できるものの、大半のタンパク質の寿命はこれでは理解できず、タンパク質寿命がどのように決定されるのか、その仕組みは未解明のまま残されています。

領域代表 村田 茂穂
東京大学大学院薬学系研究科 教授
総括班
タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー
領域代表 村田 茂穂
東京大学薬学系研究科
  • A01-1
    細胞・臓器老化におけるタンパク質寿命動態
    研究代表者 村田 茂穂
    東京大学薬学系研究科
  • A01-2
    神経幹細胞におけるタンパク質寿命動態
    研究代表者 小林 妙子
    東京大学医科学研究所タンパク質代謝制御分野 准教授
  • A01-3
    タンパク質寿命の変容と血管狭窄
    研究代表者 森戸 大介
    昭和大学医学部
  • A02-1
    プロテアソームによるタンパク質寿命決定の仕組み
    研究代表者 佐伯 泰
    東京大学医科学研究所タンパク質代謝制御分野
  • A02-2
    ユビキチンコードによるタンパク質寿命制御
    研究代表者 大竹 史明
    星薬科大学先端生命科学研究所
  • A02-3
    オルガネラ構成タンパク質の寿命制御
    研究代表者 山野 晃史
    東京医科歯科大学難治疾患研究所
  • A03-1
    タンパク質寿命の大規模計測技術と寿命制御原理
    研究代表者 石濱 泰
    京都大学薬学研究科
  • A03-2
    オーキシンデグロン法によるタンパク質寿命操作
    研究代表者 鐘巻 将人
    国立遺伝学研究所
  • A03-3
    ケミカルデグレーダーによるタンパク質寿命制御
    研究代表者 出水 庸介
    国立医薬品食品衛生研究所有機化学部

8月7日にキックオフシンポジウムをハイブリッド形式で開催します。公募研究を説明予定です。開催概要とご参加登録はこちら

8/7(月)に本領域キックオフシンポをハイブリッド形式で行います。R6年度公募研究募集概要も説明予定ですので奮ってご参加ください。ご参加登録はこちら