タンパク質寿命が制御するシン・バイオロジー

Shin-biology regulated by protein lifetime
文部科学省 科学研究費補助金 学術変革領域研究(A) 令和5年〜9年度

Planned Research

A02-2
ユビキチンコードによるタンパク質寿命制御
大竹 史明
星薬科大学先端生命科学研究所 特任准教授
https://polaris.hoshi.ac.jp/kyoshitsu/bunkai/
概要
代表者らが見出してきた「分岐型ユビキチン鎖(分岐鎖)」はタンパク質寿命制御の鍵となる新たなユビキチンコードである。そこで本研究は分岐鎖形成因子とそのタンパク質寿命制御における役割を明らかにし、ユビキチンコードによるタンパク質寿命制御の一端を解明する。 1.分岐鎖形成酵素によるタンパク質寿命制御機構 分岐鎖はユビキチンコードを「増幅」してタンパク質寿命を短命化すると考えられる。代表者が見出してきた分岐鎖形成酵素の標的タンパク質群を、網羅的なタンパク質寿命計測法により同定し、分岐鎖が担うタンパク質の寿命制御=プロテオームリモデリングとその機構を解明する。 2.ユビキチンリガーゼの寿命制御機構 プロテアソーム非依存性であるK63鎖を形成するリガーゼ自身のタンパク質寿命が特異的なE2(ユビキチン連結)酵素と分岐鎖によって調節されることを見出している。そこで、K63鎖から分岐鎖へのコード「変換」機構と生物学的意義を明らかにする。 3.タンパク質寿命を調節するシグナル伝達系 化合物を用いたユビキチン化誘導モデル系においてタンパク質寿命に影響を与えるシグナル伝達経路を複数見出している。そこでこれらシグナル伝達経路によってタンパク質寿命が調節を受ける分子機構を解明する。