A02
タンパク質寿命を決定する分解装置の品質管理機構の解明
坂巻 純一
順天堂大学大学院医学研究科 准教授
https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/kikan_saibou/
researchmap: https://researchmap.jp/qazwsxedcrfvtgbyhnuj
順天堂大学大学院医学研究科 准教授
https://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/kikan_saibou/
researchmap: https://researchmap.jp/qazwsxedcrfvtgbyhnuj
概要
細胞内のタンパク質の寿命の決定には、プロテアソームやリソソームによる分解が大きく寄与します。しかし、これら分解装置の機能がどのように維持されているかはよく分かっていません。一方で、ユビキチン化修飾はタンパク質分解やオートファジーなど数多くの細胞内現象に関与することが知られていますが、その標的は長らくタンパク質のみであると考えられてきました。我々は、ユビキチン化がエンドソームやリソソームなどのオルガネラ膜の脂質に起こるという新しい修飾様式を発見しました。これまでの解析で脂質のユビキチン化がリソソーム損傷応答や飢餓適応に関与する可能性を見出しています。そこで、本計画では、①「脂質のユビキチン化修飾」を基軸としたリソソームの品質管理と機能制御機構の解明を目指します。また、プロテアソームの品質管理機構を明らかにするために、② 細胞内大規模分解経路であるオートファジーに着目し、プロテアソーム分解の分子機構とその破綻が細胞内タンパク質構成にどのような影響を与えるのか解析します。細胞内の主要な分解装置であるリソソームとプロテアソームの制御機構を解明することで、タンパク質寿命制御の理解に貢献すると期待されます。
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